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トランプ大統領の"sick puppy"に対するさまざまな日本語訳

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アメリカのトランプ大統領が、米国内の演説で北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長を"リトル・ロケットマン"や”sick puppy”と非難していました。"リトル・ロケットマン"はそのままカタカナ表記になりましたが、”sick puppy”については各メディアのニュースでいろいろ翻訳例が分かれていました。なので今回はこの”sick puppy”の日本語訳をピックアップしてみます。

 

sickとpuppy、今回の翻訳に使えそうな辞書的意味

 

まずアルクさんの英辞郎を使って、辞書的意味を確認します。

sick

【1形】

  1. 病気の、病気になった
  2. 病人のための、病気を治す
  3. 〔表情などが〕青ざめた、不健康そうな
  4. 吐き気がする、むかついた

・I feel sick whenever I travel by plane. : 飛行機に乗るといつも吐き気を催す。

  1. 〈軽蔑的〉〔心が〕病んだ、異常な
  1. 〈話〉趣味が悪い、怪奇な

 

 

 

puppy

【名】

  1. 〔通例1歳未満の〕子犬◆【同】pup

・Oh my God! What a cute puppy! : 何この子犬、超かわいい!

  1. 〈やや古〉〔生意気な〕青二才、若者◆【同】pup
  2. 〔キツネなどの〕子◆【同】pup

 

 

英辞郎 on the WEB(https://eow.alc.co.jp/)より

 

sickは1、5、6、puppyは1と2が今回の翻訳例で多く使われていたと思います。

 

各ニュースサイトの翻訳例

 

読売オンライン「いかれた若造」

『トランプ氏、正恩氏を「いかれた若造」と批判』

http://www.yomiuri.co.jp/world/20171130-OYT1T50048.html

 

直訳ではなく意訳がまじった例。個人的には一番しっくりきました。

 

産経ニュース「気味の悪い犬ころ」

『「ちびのロケットマンは不気味な犬ころ」 トランプ大統領非難』

http://www.sankei.com/world/news/171130/wor1711300011-n1.html

 

タイトルと本文で「気味の悪い犬ころ」と「不気味な犬ころ」の2パターンあります。日本語の細かな違いですね。あと今どき「犬ころ」なんて使う人いるかねぇ・・・。

 

時事通信社「病気の子犬」

『トランプ米大統領、金委員長は「病気の子犬」=北朝鮮ミサイル発射で』

https://article.auone.jp/detail/1/4/8/6_8_r_20171130_1511997932482134

 

どストレートの直訳です。子犬が病気だったら同情してしまわないかな。

 

「おじけづいた犬が大声でほえた」とやり返している。

 

犬ネタには犬ネタで?おもしろい返しを思いついたかもしれませんが、それには自国のトップを犬と認めている含みがないだろうか。

 

毎日新聞「病気の子犬」

トランプ氏 金氏中傷「ロケットマンは病気の子犬」 

https://mainichi.jp/articles/20171130/k00/00e/030/185000c

 

毎日新聞のニュース記事はこのあとの時刻に別の記事が出ていました。

 

毎日新聞「哀れなやつ」

北朝鮮ミサイル 「哀れなやつ」トランプ氏、金氏中傷再開

https://mainichi.jp/articles/20171130/k00/00e/030/229000c

 

意訳になりました。「病気の子犬」→かわいそう→哀れなやつ、という流れを汲んでいるのかな。トランプ氏のことば遊びを表現しきれていない感が否めませんが、直訳よりは好き。

 

テレ朝ニュース「病んだ子犬」(グッド!モーニングでも)

「彼は病んだ子犬」 トランプ大統領が追加制裁へ

http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000115624.html

 

テレビでも見たのですが、他にも報道ステーションで「哀れな子犬」というのがありました。

 

 

以下、蛇足。

 

トランプ氏に限らず、英語の演説ではことば遊びがよく使われます。異国のことばを翻訳するとなると、オリジナルのおもしろさを伝えることと、正確な意味を伝えることに折り合いをつけるのが難しいですね。

 

個人的には読売新聞の「いかれた若造」が一番いいかなと。

 

“puppy”は確かに子犬という意味がありますが、わんこたちがかわいそうというか彼らに失礼なので、子犬以外の意味を採用しているこれが一位!

 

次点で毎日新聞の「哀れなやつ」。次点というか"puppy"について「子犬」系以外の「やつ」という訳を採用していたのはこれぐらいだったので。

 

あと他に良い翻訳が出てこないか、puppyを「やつ」に固定して、形容詞sickについて各メディアの訳を入れ替えると、

 

「いかれたやつ」:皮肉とかたとえとか一切使っていない、ただの悪口

「不気味なやつ」:自分の周りにもいそう。不気味な相手に若干引いているニュアンスになりかねないので、トランプが使うと威厳がなくなる。

「病気のやつ」:ほら、アイツの名前なんだっけ?あの病気のやつ!・・・って名前覚えてあげて (> <)

 

全然気の利いたこと思いつかない。やっぱハライチってすげぇ。

 

 

終了です。